有限会社 中彦 京都・西陣の地で、織屋を始めて百有余年。金糸や金箔などと色鮮やかな絹糸をもちいて文様を織りだす金襴織物で、御袈裟を製作しております。

西陣織でのお誂え

高品質な国産絹糸を、京都・西陣にて加工を行い、弊社の手機にて製織をし、お袈裟に仕上げております。

「ぐんま200」の原糸 機屋

日本の絹糸は、光沢やしなやかさなど品質においては、世界最高水準の絹糸です。
その世界最高の絹糸を京都・西陣の職人が、腕によりをかけて御袈裟に仕上げます。

御袈裟からいろいろなものに…

国産絹糸や、手造りの絹織物に関心のある方、
また、純国産絹糸について詳しくお知りになりたい方、

お電話か、お問い合わせメールにて、まずは連絡をくださいませ。

お電話番号 (075)462-1305 メールでのお問い合わせは、こちらから 純国産絹別織
    

京都・西陣の織屋で唯一

純国産絹マーク

京都・西陣の織屋で唯一
『純国産絹糸』を使って
御袈裟の製織も出来ます。

純国産絹糸別織

弊社では、純国産絹にこだわった生地作りを始めさせていただくことにいたしました。それは、創業百有余年の西陣の織屋だからこそできることだと思っております。原糸の繭が育てられているところから織り上げるまでの工程を一貫して管理が出来るからです。

上の左側のマークは、2020~2021年度放送の大河ドラマ『青天を衝け』で協賛をされております『一般財団法人 大日本蚕糸会』様が、純国産絹等を使った絹製品であることを証明いただいているマークです。またそのとなりの右側のネームは、弊社が作らせていただきます生地に織りこませていただきますマークです。
下の写真は碓氷製糸より送られてきた『ぐんま200』の原糸と織物に使えるようにその原糸を撚糸した糸です。この撚糸をした糸を染色して織物に使います。

弊社が、数ある国産生糸の中でも『ぐんま200』の原糸を使います理由は、群馬県において長年培われてきた養蚕の技術が結集された糸であり、糸の白度・染色性・ドレープ性などに富み、この糸で織物を作ると数段上の生地が出来上がると確信をしたためです。
純国産絹で仕上がった生地の肌触りの良さなどを実感していただけると思います。

碓氷製糸より送られてきた「ぐんま200」の原糸 「ぐんま200」の原糸 「ぐんま200」の撚糸上りの糸

日本の養蚕について

養蚕の仕方や技術については、稲作や佛教と同じように中国よりもたらされました。奈良時代以前には養蚕が行われていたようで、豪族や宮中など一部の権力者によって絹糸は使われていたようです。

京都市の西の方には、『太秦うずまさ』と呼ばれる地名があり、そこには『蚕ノ社 正式名称を木嶋坐このしまにます天照御魂あまてるみたま神社』というお社があります。この太秦と呼ばれる地に秦氏はたしという渡来人が住まわれて養蚕業を行われたと言われております。この養蚕業を行われたと言う事が、日本での養蚕(蚕を育てて絹糸をとる事)の始まりとされております。

そして、奈良・平安・鎌倉・室町・・・・・と時代の移り変わりとともに養蚕は、日本全国に広まっていきました。
この養蚕技術が大きく花開くのが明治時代で、日本の絹糸はパリ万博にも出品されておりました。
京都には西陣織、新潟には小千谷縮、石川には牛久紬、鹿児島には大島紬等々、日本全国には素晴らしい絹織物がございます。しかし、現在日本で扱われている絹織物の中で、蚕から国内で作られる絹織物の割合は、1%にも満たないと言われております。
日本の絹織物は、各地の風土の中で人々の生活の中から生まれ育まれ、工芸品と呼ばれるまでに昇華しました。それは、先人たちが日々精進をし、良い繭を作り、糸を引き、染料を工夫し、織物の技術を高め、その伝統を一人ひとりが大切に継承してきた証しでもあります。
現在、その国産の蚕を育て繭から糸を作ると言う事が産業として成り立たなくなっています。私たちの伝統を守り継承していくためにも国産の絹糸の良さを使って感じていただくことがまず必要だと考えました。そのために弊社ができること。長年西陣で織ってきた御袈裟の生地を純国産の絹糸で織り上げることでみなさまに知っていただければと思い、製作することといたしました。また、その純国産の絹糸で織り上げた生地を使い、いろいろなものにできればとも思っております。
下の写真は、群馬県の養蚕農家さんのところに行き実際に『ぐんま200』の蚕が育てられているところを視察に行った時の写真です。

養蚕をされているところ 群馬県の養蚕農家さんの桑畑 『ぐんま200』の3齢目の蚕

五条袈裟からいろいろなものに・・・・・

創業以来私共はこの西陣の地で御袈裟を製織してまいりました。御寺様の御袈裟というものは、代々大切にお使いいただいているものが多くございます。ふるくなりましたら、修理をなされることも少なくありません。また、同じものをご依頼されることもあります。そのような御袈裟であるからこそ、見た目だけではなく、良い素材で職人1人ひとりが丹精込めて仕上げた御袈裟であれば、次の代にしっかり残していただけるのではないかと思うのです。

以前、『御袈裟は御寺様のユニファームのようなもの。』とおっしゃった方がおられました。
確かにユニフォームであれば安価で替えの効くものを・・・、ということかもしれません。
しかし、檀家様はじめ一般の方も仏事などで御袈裟を目にされることもございます。そのような時に日本の伝統技術のすばらしさを感じていただき、そこから日本の伝統技(わざ)に興味を持っていただく機会になれば、職人としてこんなにうれしいことはございません。

このようなことからまず御袈裟の中でも御寺様が普段よくお使いになる『五条袈裟』から日本の絹糸を使い御袈裟の製織を始め、その技術・技法を使い、いろいろなものへと発展をさせ、純国産絹糸の良さを知っていただければと思っております。

30年ほど前が一つの潮目のように

今から30年ほど前、1990年くらいが国産の絹と外国産の絹を使うことの一つの潮目になっていたように思います。弊社でも、それまでは国産の絹糸ばかりを使っていたのですが、絹糸価格の高騰と相場による価格の不安定さにより輸入絹糸の安さと価格の安定性に押されて徐々に輸入絹糸へとシフトしていきました。

当初、弊社では、経糸は日本の絹糸を使い、抜き糸(横糸)に輸入絹糸を使っておりました。それは日本の絹糸の方がしなやかさ(ドレープ性)があり、強さもあると思っておりましたのでそのようにしておりましたが、それもいつしかすべて輸入絹糸に代わりました。

絹糸であれば国産でも外国産でも問題にならないが、価格的には国産と外国産とでは差が出来てしまうため、国産絹糸使用では価格が高くなり需要の落ち込みが懸念されたためにすべて外国産絹糸に移行していきました。
しかし、一部分でも国産絹糸を使用してほしいという声は今でもあり、弊社でも特注製品として製織しており、普通の製品とは分けて取扱っております。
最良の製品をお届けするのは当然ですが、どこまでのクオリティを追求するのか、価格はどうなのか、と言う事は悩ましい問題です。

コロナ禍がもたらしたもの?

2020年の幕開けはコロナ禍との戦いでした。中国・武漢から広がり始めた新型コロナウィルスは、瞬く間に世界中に広がり今も大きな被害が出ている最中です。
世界中に張り巡らされているサプライチェーンの大きな要である中国から新型コロナウィルスが広がり始めたことで、世界中でモノ作りが滞りました。
我々絹織物業界では、中国からの絹糸が滞ったために生産に支障をきたしたと言う事はなかったのですが、弊社では、今後のことを考え、どのような取り組みをしていけばよいのかということを考えさせられました。

製造元発信

弊社では、今まで原材料の絹糸の産地や加工の仕方など、また染織の方法などなど使う糸についての情報や、織についての情報を一切発信してきませんでした。

しかし、今回大日本蚕糸会様の純国産絹マークを取得するにあたり、原糸の産地や加工をしていただくところなどを明確に記載し、すべてを明らかにしなければなりませんでした。これは、最初は大変勇気のいることでした。弊社が長年培ってきたものを公開することになるのですから不安はありましたが、しかし、皆様に知っていただくことにより興味を抱いていただいたり、関心を持っていただければありがたいことだと考えるようになりました。それにまた、公開することにより、絶対に間違いのないものを作り続けていかなければならないと言う使命感にもなりました。

ソーシャルディスタンスコロナウイルス 感染拡大防止の取り組み

弊社では、オンラインを駆使してお話をさせていただけないかと思っております。
具体的には『ZOOM』を使ってオンライン上でお話をさせていただければありがたいと思っております。純国産絹糸のことや、染色加工のこと、織のことなどなどを、お聞きいただければお答えさせていただきたいと思っております。

ZOOMについてはこちらからダウンロードをお願いします。

なぜ、伝統を守るの?

今、伝統産業と呼ばれる仕事では、後継者不足など様々な深刻な問題を抱えております。そのような中でも一番の問題は、生活を支えていけるだけの仕事がないと言う事です。仕事がない、と言う事は需要がない、と言う事でもあり、言い換えれば今は必要とされる技術ではない、ということかもしれません。では、このまま消滅させてもよい技術なのでしょうか?

私どもは織屋ですので、織物を例にさせていただきますと、例えば正倉院の宝物の絹織物は、大変高い技術で製織された織物で、現代の技術で復元させようと思っても困難だと思われます。それは、手間暇のかかる技術を捨て効率や価格を重視してきたために古い技術をないがしろにしてきたことにも原因があると思われます。技術=伝統は、一度手放してしまうと簡単には再現できるものではありません。

日本の絹の伝統をなくしてもよいのか、今一度日本の絹の原点に戻り繭から製織まで純国産の製品を皆様にお届けをし、その良さを実際に感じていただき、その上で守るべき価値のあるものかどうか、ご判断いただく機会になればと思っております。

国産絹糸と西陣織

純国産絹糸にこだわった生地作りをこの時期に立ち上げる理由は何なのか?
連日、テレビや新聞のニュースなどで飲食店を経営なさっておられる方々のご苦労ぶりが報道をされております。しかし、確かにお店を営業されている方々も大変でしょうけれど、その食材を作っておられる方々もまたひとかたならぬご苦労をされていると聞きました。これは今も少量ではあるけれど頑張って純国産の絹を造っておられる方々のことが思われ、微力ながら使用することでお力になれないかと考え純国産絹糸を使った生地の製織をすることにいたしました。

稲作・養蚕・佛教といずれも中国より伝わったものですが、それぞれが独自に発展をし、今に至っていると思います。
特に御袈裟は、佛教にとってはなくてはならないものであり、また読経をされるときには必ず身にお付けになるものです。ですから御袈裟はそれぞれのお寺に代々と受け継がれており、このような品質にこだわった御袈裟は年月が経っても見衰りすることなく今もお使いになっておられるものが多々あります。そのような年月の経った御袈裟を見せていただくたびに純国産絹糸で織り上げた御袈裟の良さを痛感いたします。そして、このように代々と大切にお使いいただける御袈裟であるからこそ『純国産絹糸』を使用する意義があるのではないかと思っております。日本の大切な技術を後世に受け継ぎ、残していくことが微力ながらできることをうれしく思います。
京都で百年以上続く織屋だからこそ、純国産の絹糸を使い、京都の選りすぐられた加工職にその加工をお願いし、そして自社にて織り上げるということが出来ると自負しております。
ですから、自信をもって『純国産絹マーク』を付けた御袈裟を皆さま方に御紹介させて頂きたいと思っております。

日本の養蚕・織物の歴史は、中国から伝わり日本独自の発展をとげてきました。西陣は、職能集団であります。弊社もここ京都の地において、百有余年西陣の伝統を守ってまいりました。一人ひとりが最高の仕事を行い次の職人へとつなぎ、西陣織が完成します。弊社は、これからも技術の向上に努め、より良い製品をお届けできるよう精進してまいります。

国産絹糸や、手造りの絹織物に関心のある方、
また、純国産絹糸について詳しくお知りになりたい方、

お電話か、お問い合わせメールにて、まずは連絡をくださいませ。

お電話番号 (075)462-1305 メールでのお問い合わせは、こちらから 純国産絹別織
  
ページTOPへ